小鹿田焼 飛び鉋八寸鉢ONTAYAKI · TOBI-KANNA
¥14,300大分・小鹿田。坂本工窯のもの。煮物にも汁物にも、毎日使える径。
小鹿田の壺、紬の端布、桐の小箱。
無名の作り手が、無心に拵えた道具ばかりを集めています。日用の中にこそ、最も健やかな美しさが宿る。柳宗悦の言葉を、私たちは古道具の手触りで確かめてきました。直しながら、長く使う。それが暮らしの底にある豊かさだと信じています。
用と美が結ばれるところに、本当の工藝の世界は約束される柳宗悦『工藝の道』より
大分・小鹿田。坂本工窯のもの。煮物にも汁物にも、毎日使える径。
徳島・佐藤さん絞り。三尺寸。経年で深まる藍の色。
明治末期。岩手のものと思しい。手書きの薬名が遺る。
十九世紀半ば。底にニュウあるも美しい焼き。書院に。
戦前のもの。鉋目を残し、再仕上げ済。座して書く道具。
大正期 木綿。継ぎ当てあり。座布団地に。
さかもと しげき
小鹿田焼 坂本工窯九代続く窯元の九代目。粘土の蹴轆轤を踏みつづけて五十年。「同じ皿を百枚作る、それが仕事だ」と仰る。当店では飯碗、八寸鉢、湯呑を扱う。
さとう ちえ
徳島 ・ 阿波藍染め祖父の代から続く藍甕を守る。蓼藍の葉から建てる地藍にこだわり、年に一度の藍建ての季節に必ず訪ねている。風呂敷、半襟、手ぬぐい。
おくやま のぶゆき
岩手 ・ 桐木工桐箪笥職人の三代目。修繕も請ける。古い桐の道具を当店に持ち込むのは、たいてい彼の見立て。底裏の鉋目を見れば、丁寧な仕事ぶりが分かる。
令和六年 ・ 葉月廿日
飛び鉋の小鹿田焼が、なぜ料理に映えるのか。粗い土肌が油や醤を含み、いつしか器が育っていく。日々の手入れと、十年使った後の景色について書きました。
令和六年 ・ 文月七日
「藍は生きものだ」と仰る佐藤さんの工房を、夏のはじめに訪ねました。蓼藍の葉を発酵させる甕の縁で、白い泡が静かに咲く。あの色の源を、こちらに記します。
令和六年 ・ 水無月十日
桐は呼吸する木。乾く、湿る、を何十年と繰り返した抽斗が、ほんの少し膨らんでいる。慌てて削らず、季節を待つ。古道具との付き合い方を奥山さんに学んでいます。
令和六年 ・ 皐月廿三日
「下手物」を美しいと見抜いた柳宗悦。作家ものではなく、市井の道具にこそ宿る美しさを、私たちの古道具棚に置き換えて考えてみます。
飾る道具より、使う道具を選ぶ。手に持ったときに「いい」と感じる重みと、毎日使ったあとに育つ景色を信じています。
銘の有無で価値は決まらない。市井の作り手が無心に拵えたものこそ、私たちが取り扱うべき道具だと考えます。
欠けた、軋んだ、汚れた——それは終わりではなく、続きの始まり。金継ぎ、桐の修繕、藍の染め直し。続けるための仕事を受けます。
仕入れも、お渡しも、急ぎません。買い手の方に、何度でも見にきていただきたい。買わずに帰る日があっても構わない店です。
倉敷美観地区の路地裏。元は呉服商の蔵を改装した、二十坪ほどの古道具屋です。お電話でのお取り置き、地方発送どちらも承ります。月に一度、信州や山陰の道具市にも参じております。
古道具は、買い手が選ぶ前に、道具のほうが買い手を選ぶことがあります。
急がず、迷い、そして手に取ってみてください。私たちの店は、そのための場所です。お茶を一服差し上げますので、どうぞお気軽に。
— 店主 林 美咲